【所得控除の一覧】内容やどんな人が対象になるのかを税理士が解説
こんにちは、公認会計士・税理士のダックスです!
皆さん、「控除」という制度を知っていますか?
控除は、知っている方と知っていない方とでは払う税金の額が変わる可能性のある重要な制度です
この記事を見て下さっている方の中には、

控除ってなんだっけ?
という方もいらっしゃると思います
控除を簡単に説明すると、
のことです
その控除には「所得控除」と「税額控除」の2種類がありますが、今回は「所得控除」について解説します!
なお、控除について「詳しく知りたい!」という方はこちらの記事👇をご覧ください。

すでに「控除なんて知ってるよ♪」というマネーリテラシーの非常に高い方は、
という新たな疑問が浮かんでしまったのではないでしょうか?
控除が漏れなく使えているかの確認は、とても大切です
かくいう私も以前、医療費控除を使い忘れてしまってことがあります

医療費控除を使い忘れてて、数万円分損したよ。。。
もし控除を使い忘れていても、
「○○さん、××の控除使い忘れてない?」
なんて誰も教えてくれません。。

控除は「そういう控除がある」ということを事前に知っておくことがいちばん大切だよ!
今回は控除を余すことなく使いたい人のために、全16種類すべての所得控除を解説しています!
対象者についても出来る限り分かりやすくまとめましたので、ぜひ一度目を通して頂けると嬉しいです!
所得控除の一覧。内容や対象となる人を解説
全16種類の所得控除を全て解説します!
ちなみに、ほとんどの控除は会社で年末調整を受けていれば大体使えていると思います
しかし一部の控除は年末調整では対応してくれないので、自ら確定申告しないと控除を使うことが出来ません
年末調整で対応してくれない控除には、タイトルに『★』をつけています
ぜひ見ていってください!
★雑損控除(年末調整の対象外)
予期しない不慮の事故によって、生活に必要な資産に損害を受けた方の税負担を軽くしてくれる控除です
災害や盗難、横領によって損害を受けた場合に使えます
災害や盗難、横領によって生活に必要な資産に損害を受けた方(詐欺や恐喝は対象外)
次の①及び②のうちのいずれか多い方
- (損害金額+災害等関連支出の金額-保険金等の額)-(総所得金額等)×10%
- (災害関連支出の金額-保険金等の額)-5万円

要件や計算内容が少し複雑なので、対象となりそうな方は国税庁サイトを見てみてね!
国税庁「No.1110 雑損控除」
★医療費控除(年末調整の対象外)
医療費を多く払った方の税負担を軽くしてくれる控除です
家族(生計を一にする)のために支払った医療費も対象です

“生計を一にする”とは、簡単に言うと「同じ財布(共通の資金)で生活を営んでいるか」ってことだよ。同居していなくてもOKの場合もあるよ!
1月1日から12月31日までに支払った医療費が一定の額(多くの人が10万円)を超える方
1月1日から12月31日までに支払った実費の医療費(※1)ー10万円(※2)
※1 保険金などで補填される分を除いた金額です。出産育児一時金や健康保険などで支給される高額療養費などで補填される金額は除きます
※2 その年の総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5パーセントの金額

病院までのバス代やタクシー代等の交通費や、入院中の食事代や部屋代も控除の対象だよ!
国税庁「No.1120 医療費控除」
★寄附金控除(年末調整の対象外)
寄附した方が使える控除です

ふるさと納税で有名な控除だね!
特定の団体(国や地方公共団体、特定公益増進法人など)に寄付をした方
次の①または②のいずれか低い金額 – 2000円 = 寄附金控除額
- 1月1日から12月31日までに払った寄附金の額
- その年の総所得金額等の40パーセント相当額

寄附金控除を使うには確定申告が必要だけど、ふるさと納税で「ワンストップ特例」なら確定申告は不要だよ!
国税庁「No.1150 寄附金控除」
社会保険料控除
健康保険や年金などの社会保険料を支払っている方が使える控除です
家族(生計を一にする)のために支払った社会保険料も対象です

社会保険料は多くの人が払うから、使われていることが非常に多い控除だよ!
社会保険料を支払った方(家族分も含む)
1月1日から12月31日までに支払った社会保険料の全額
国税庁「No.1130 社会保険料控除」
小規模企業共済等掛金控除
iDeCoで使われている方が多い控除です
掛金の全額が控除になります

他の控除と違って、本人分のみが対象だよ。家族分の支払いは対象外になるから注意!
下記のいずれかを支払った方
- 小規模企業共済
- 個人型確定拠出年金(iDeCo)
- 企業型確定拠出年金(企業型DC)
- 心身障害者扶養共済
1月1日から12月31日までに支払った掛金の全額
国税庁「No.1135 小規模企業共済等掛金控除」
生命保険料控除
民間の生命保険に加入しているときに使える控除です
1月1日から12月31日の間に支払った保険料のうち一定額が控除の対象です
生命保険料、介護医療保険料または個人年金保険料を支払った方
保険契約が平成23年12月31日以前か平成24年1月1日以降かで控除の金額が異なります
👇平成24年1月1日以後に締結した保険契約等に基づく支払い
| 1月1日から12月31日までの支払保険料 | 控除額 |
|---|---|
| 20,000円以下 | 支払保険料等の全額 |
| 20,000円超 40,000円以下 | 支払保険料等×1/2+10,000円 |
| 40,000円超 80,000円以下 | 支払保険料等×1/4+20,000円 |
| 80,000円超 | 一律40,000円 |
👇平成23年12月31日以前に締結した保険契約等に基づく支払い(介護保険料は対象外)
| 1月1日から12月31日までの支払保険料 | 控除額 |
|---|---|
| 25,000円以下 | 支払保険料等の全額 |
| 25,000円超 50,000円以下 | 支払保険料等×1/2+12,500円 |
| 50,000円超 100,000円以下 | 支払保険料等×1/4+25,000円 |
| 100,000円超 | 一律50,000円 |

平成23年12月31日より前に契約した生命保険は、控除額が少し違うってことだよ
国税庁「No.1140 生命保険料控除」
地震保険料控除
イメージは生命保険料控除と同じです
地震保険料を支払った方が対象です

ちなみに、『火災保険料』は控除の対象にはならないよ。残念すぎる。。
地震保険料を支払った方
この地震保険料控除では、地震保険料と旧長期損害保険料の2つに分けられていて、それぞれ控除額の計算方法が異なります
| 区分 | 年間の支払保険料 | 控除額 |
|---|---|---|
| ①地震保険料 | 50,000円以下 | 支払金額の全額 |
| 50,000円超 | 一律5万円 | |
| ②旧長期損害保険料(※) | 10,000円以下 | 支払金額の全額 |
| 10,000円超20,000円以下 | 支払金額×1/2+5,000円 | |
| 20,000円超 | 15,000円 | |
| ①、②両方がある場合 | ー | ①、②それぞれの方法で計算した金額の合計額(最高50,000円) |
※平成18年12月31日までに締結した契約で、その後契約を変更していない場合に限られます
国税庁「No.1145 地震保険料控除」
障害者控除
障害のある方やその家族が抱える医療・介護などの負担に配慮して税負担を軽くしてくれる控除です
自身または家族(生計を一にする)に障害者がいる方は使うことができます
自分または家族(生計を一にする)に障害者がいる方
| 区分 | 控除額 |
|---|---|
| 障害者 | 27万円 |
| 特別障害者 | 40万円 |
| 同居特別障害者 | 75万円 |

障害の程度や同居の有無によって、「障害者」「特別障害者」「同居特別障害者」の3つの区分に分かれるよ
国税庁「No.1160 障害者控除」
寡婦控除
ひとりで生計を立てている「寡婦」の方の税負担を軽くしてくれる控除です

「寡婦」とは旦那さんと離婚または旦那さんが亡くなられた後に、再婚をしていない女性のことだよ
12月31日時点で寡婦の方で、次のいずれかに当てはまる人
- 旦那さんと離婚した後に再婚しておらず、扶養親族がいる人で合計所得金額が500万円以下の方
- 旦那さんが亡くなられた後に再婚しておらず、合計所得金額が500万円以下の方
※「ひとり親」の方は対象外(ひとり親控除の方が優先になるため)
一律27万円(令和2年分以後)
国税庁「No.1170 寡婦控除」
ひとり親控除
子どもを1人で育てている方の税負担を軽くしてくれる控除です
自身が「ひとり親」であるときに使えます
一律35万円

「寡婦控除」と「ひとり親控除」は要件が似ているから、両方に当てはまる人がいるよ。併用はできなくて、控除額の大きい「ひとり親控除」が優先されるよ!
国税庁「No.1171 ひとり親控除」
勤労学生控除
働きながら学校に通う学生の税負担を軽くしてくれる控除です
自身が「勤労学生」である場合に使えます
自身が「勤労学生」である方
※「勤労学生」とは…次の3つの要件すべてに当てはまる人
- アルバイトなど勤労による給与所得がある
- 合計所得金額が89万円以下で、かつ給与以外の所得が10万円以下(アルバイトだけなら1年間の収入が163万円以下)
- 特定の学校の学生、生徒であること
一律27万円

高校や大学だけでなく、一部の専門学校や職業訓練校も対象になるよ!
国税庁「No.1175 勤労学生控除」
配偶者控除
配偶者がいる方が受けられる控除です
下記の2つの要件を両方とも満たす方
- 控除を受ける納税者自身の合計所得金額が1,000万円以下
- 配偶者が下記の要件すべてを満たす場合
- 民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しない)
- 納税者と生計を一にしていること
- 年間の合計所得金額が62万円以下であること。給与のみの場合は年収が136万円以下
- 申告する年において、青色申告者または白色申告者の事業専従者ではない
| 控除を受ける納税者自身の合計所得金額 | 控除額(配偶者が70歳未満) | 控除額(配偶者が70歳以上) |
|---|---|---|
| 900万円以下 | 38万円 | 48万円 |
| 900万円超950万円以下 | 26万円 | 32万円 |
| 950万円超1,000万円以下 | 13万円 | 16万円 |
国税庁「No.1191 配偶者控除」
配偶者特別控除
配偶者がいる方で、配偶者の所得が高いために「配偶者控除」を受けられない場合に受けることが出来る控除です

配偶者の所得制限の金額が「配偶者控除」とは違うよ!配偶者控除が受けられない方を、「配偶者特別控除」がフォローしているイメージだよ!
下記の5つの要件をすべて満たす方
- 控除を受ける納税者自身の合計所得金額が1,000万円以下
- 配偶者が配偶者特別控除を適用していないこと
- 配偶者が別の親族の扶養家族として控除の対象になっていないこと
- 配偶者が公的年金等の受給者の扶養親族として控除の対象になっていないこと
- 配偶者が下記の要件すべてを満たす場合
- 民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しない)
- 納税者と生計を一にしていること
- 年間の合計所得金額が62万円超133万円以下であること。給与のみの場合は年収が136万円超207万円以下
- 申告する年において、青色申告者または白色申告者の事業専従者ではない
| 控除を受ける方の合計所得金額 | ||||
|---|---|---|---|---|
| ~900万円 | ~950万円 | ~1,000万円 | ||
| 配偶者の合計所得金額 | 62万円超 95万円以下 | 38万円 | 26万円 | 13万円 |
| 95万円超 133万円以下 | 控除を受ける方や配偶者の合計所得金額に応じて、段階的に変わります | |||
| 133万円超 | 0円 | |||
国税庁「No.1195 配偶者特別控除」
扶養控除
家族や親族を養っている方の税負担を軽くしてくる控除です
自身に「控除対象扶養親族」がいる方は使うことができます

「控除対象扶養親族」とは超簡単にいうと、自身が養っている16歳以上の家族(配偶者を除く)や親族のことだよ!詳しく知りたい方はこちらを見てね!
控除対象扶養親族がいる方
| 区分 | 控除額 |
|---|---|
| 一般の控除対象扶養親族 | 38万円 |
| 特定扶養親族 | 63万円 |
| 老人扶養親族(同居老親等以外の者) | 48万円 |
| 老人扶養親族(同居老親等) | 58万円 |

特定扶養親族とか同居老親等とか難しい単語ばかりなので解説するね!
- 特定扶養親族…養っている家族や親族(控除対象扶養親族)のうち、その年12月31日現在の年齢が19歳以上23歳未満の方
- 老人扶養親族…養っている家族や親族(控除対象扶養親族)のうち、その年12月31日現在の年齢が70歳以上の方
- 同居老親等…老人扶養親族のうち、自身及び配偶者の両親及び祖父母(直系尊属)で、同居をしている方
国税庁「No.1180 扶養控除」
特定親族特別控除
2025年に新設された控除です!
今までは扶養している親族の所得が一定額を超えると、親は扶養控除を受けられなくなって税負担が一気に上がってました
なので働く意欲があっても、アルバイトの時間を制限する方たちが一定数いました
そんな問題を解決すべく創設されたのが「特定親族特別控除」です
特定親族特別控除のおかげで、一定額を超えても控除が受けられるようになりました

扶養控除をフォローしているイメージだね!
特定親族(配偶者以外の生計を一にしている19歳以上23歳未満の親族で、合計所得金額が58万円超123万円以下)がいる方
| 特定親族の合計所得金額 | 控除額 |
|---|---|
| 58万円超 85万円以下 | 63万円 |
| 85万円超 123万円以下 | 特定親族の所得が上がるにつれて段階的に減少 |
| 123万円超 | 0円 |
国税庁「No.1177 特定親族特別控除」
基礎控除
すべての納税者が無条件で使えます
しかし、所得が2,500万円以上の人は使えません
合計所得金額が2,500万円以下の方
| 納税者本人の合計所得金額 | 控除額(令和8年分) |
|---|---|
| 489万円以下 | 104万円 |
| 489万円超 2,500万円以下 | 所得が上がるにつれて段階的に減少 |
| 2,500万円超 | 0円 |
国税庁「No.1199 基礎控除」
【まとめ】雑損控除、医療費控除、寄附金控除は特に注意
全16種類の所得控除の中で特に注意する必要があるのは
の3つです!
この3つは、「会社の年末調整では控除をやってくれない」からです
つまり3つの控除のうち、どれかを使いたい場合は
ということです。。
確定申告は面倒ですが、その分税金が安くなるというわけです

ちなみに寄附金控除でも、ふるさと納税でワンストップ特例を使っていれば確定申告は不要だよ!
ちなみに年末調整の時に会社に資料を提出しなかったら、
「本当なら使える控除が使えない!」という悲しいことが起きます
自分が損をしないように、年末調整用の資料はなくさず、忘れず提出しましょう!
最後まで読んでくださりありがとうございました!
